法定単純承認って??
民法において、「こういうことをすると単純承認したものとみなす」とされる行為がありますので下記に記載しておきます。
- 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき(ただし、保存行為及び第602条 に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない)。
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相続人が第915条第1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
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相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は、悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。
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ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りではありません
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つまり、相続人が放棄をすることによって新たな相続人となった人が、「限定承認」をするか「単純承認」をして相続した場合には、この第2の相続人が相続債権者や受遺者に対して、債務や遺贈を弁済する責任を負うことになるので、すでに相続を放棄した第1順位の相続人が、第2順位の相続人の承認後において、「相続財産を隠匿したり」、「私に消費」しても、直接には相続債権者や受遺者に損害を及ぼすことがないので、この場合にまで、第1順位のの相続人の「相続の放棄」を無効として、第1の相続人に「単純承認」の効果を負わせる必要はないということですね。
「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」を具体的に教えて下さい。
「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」とは・・・
例えば、あなたの父親が亡くなった場合に、あなたが父親の財産を処分してしまった場合には、あなたは父親の相続について「単純承認」したものとして、父親のプラスの財産もマイナスの財産も全て無条件で引き継いでまいということです。
ただし、ここでいう処分というのは、例えば、骨董品を毀損してもたような事実上の処分も、土地や建物を売却してもたちゅう法律上の処分も含まれることに注意が必要です。
いかなる程度の処分が、単純承認の原因となる処分と言えるのかについては、相続財産の多寡、性質などの具体的かつ目的論的な部分を考慮して決める必要があります。
ですから・・・
例えば・・・親父の形見として、ほとんど値打ちのない懐中時計をもらった場合でも注意しなければ、「単純承認した」と言われてまう可能性は否定できませんので、用心してください。
「熟慮期間の経過」も単純承認されたことになるのでしょうか?
そうです。
この「熟慮期間の経過」によって、相続を単純承認したとされる理由として考えられるのは、相続が開始した場合に、「限定承認」とか「相続放棄」とかする人の方が圧倒的に少ない・・
つまり、「ほとんどの人は単純承認をしている」という事実があります。
そのため、
例えば、あなたの父親が亡くなった場合において、子どもであるあなたが父親の財産を相続するのが普通であると考えられています。
しかし、
何時までもあなたが父親の相続するのか?・・・
それとも相続しないのか?・・・が、
はっきりとしなければ困る人(相続財産の債権者等)にとっても、また、相続人本人にとっても、何時までも相続をするのか?・・・しないのか?・・・
が、わからないという曖昧な状態が長く続くことは、お互いにとっても不利益であると考えられるため、熟慮期間の3ヶ月が過ぎたら、多くの人がそうであるように、特に何の意思表示もする必要もなく、原則として「単純承認」したことにしたということです。
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